収蔵品案内

池田光政 筆 江戸時代
紙本墨書 一巻 縦33.7cm 

寛永18年(1641)2月7日、三代将軍徳川家光の命により、徳川幕府は諸大名に自家の系図を提出するよう命じました。いわゆる「寛永諸家系図伝」と呼ばれるもので、儒学者の林羅山・鵞峰父子が中心となり事業が進められ、約2年半の年月をかけて完成しました。
岡山藩主の池田光政は、同族の鳥取藩主池田光仲とともに寛永18年9月9日付で、連名の系図を幕府に提出しています。この時幕府に提出した系図の控えは、江戸時代には岡山城の大納戸の蔵で保管され、近代の池田家では、旧藩記録の取調べや家史編纂を業務としていた記録方が管理していました。現在は他の多くの系図とともに、当館の所蔵となっています。

今回紹介する池田家系図は、この寛永の系図を光政自身が筆写したもので、内容は寛永諸家系図伝とほぼ一致していますが、以下の3点が寛永諸家系図伝に見られない特徴となっています。

(1)光政と嫡男(三左衛門:後の綱政のこと)の箇所に、寛永19年の記事が追記されている。

(2)光政と光仲の署名の前に「家紋 上羽蝶」とあり、さらに日付が寛永19年6月11日になっている。

(3)系図の末尾に、寛永18年から寛文10年までの、主として参勤交代や公儀に関する記述が追記されている。


(林原美術館 浅利 尚民)