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収蔵品
Collection overview
林原美術館は林原一郎氏が蒐集した絵画や工芸品と、旧岡山藩主池田家の大名調度品から成り立っています。 企画展または特別展において、収蔵品を順次入れ替えて展示しています。
- 収蔵品件数
- 刀剣・甲冑・絵画・書跡・能面・能装束・陶磁・金工・漆工品等、約9,000件を所蔵しています。
鍋島藩が将軍家や諸大名への贈答目的で焼いた、鍋島焼の大皿。皿の中心を白抜きとし、染付で区切った六つの枠の中に色絵で三種類の宝物を配する。さらにその隙間を赤絵の具で描いた青海波文で埋めている。裏側は三方に大輪の牡丹唐草文で飾り、高台には七宝繋文をめぐらす。
鍋島藩の官窯として焼かれた鍋島焼は、器の大きさも厳格な規格が設けられているが、本作のような尺皿(約三〇センチ)は少ない。しかも大きさだけでなく細密な絵付や染付の立体感、さらには高いデザイン性を備えたこの大皿は、まさに鍋島焼の名品である。
- 国
- 日本
- 制作年/時代
- 江戸時代
- 材質/形状
- 磁器
- 法量
- 径30.0 高8.4

四本の房紐を意匠とした鍋島焼の七寸皿。色は染付の青と赤のみで、四本の房紐を円形の皿の縁に沿わせるように描いた単純なものである。しかし切り揃えられた房の先端が細かく描写されているだけでなく、四本の房の組合せ方や、皿の中央を白抜きとする紐の配置など練りに練られた文様は、いかにも鍋島焼らしく、七寸皿最高の名品とされる。裏は三つの七宝結文が描かれ、高台は櫛目高台となる。
- 国
- 日本
- 制作年/時代
- 江戸時代
- 材質/形状
- 磁器
- 法量
- 径20.4 高台径11.0 高5.5

最盛期の代表的な鍋島焼の五寸皿。地は墨はじきの技法を用いて描かれた青海波と、それに浮かぶ水草に二羽の鶺鴒を配している。鶺鴒は鍋島焼ではあまり用いられない黒の上絵具で描かれており非常に珍しい。また、水草の葉の一部に施された黄色がアクセントとなり、見込みに一層の華やかさを添えている。器形も立ちあがりのまるみに張りがあり、最盛期の鍋島焼の特色を遺憾なく備えている。裏は三方七宝結文に櫛目高台とする。
- 国
- 日本
- 制作年/時代
- 江戸時代
- 材質/形状
- 磁器
- 法量
- 径15.0 高台径8.0 高4.2

器型を八角に形成した鍋島焼の皿。見込みに墨はじきで白く蜘蛛の巣をあらわし、その上に梅花を散らしている。蜘蛛の巣は直線だけであらわされる単純な意匠であるが、間隔や傾きが一定でなく、かえって変化が生まれて見るものを飽きさせない。自然の風景を切り取って意匠化する、図案考案者の着想と観察眼に驚嘆させられる。裏は四方七宝結び文、櫛目高台。
- 国
- 日本
- 制作年/時代
- 江戸時代
- 材質/形状
- 磁器
- 法量
- 口径14.8 高台径7.5 高3.7

二枚の丸い皿を一つに合わせたような形状をした五枚の組皿。染付の濃淡で兎をまるく描き、左の余白で月を表現している。この組み合わせは、江戸時代によく用いられた「月に兎」をあらわし、いかにも洒落た意匠である。裏は波涛文となる。
- 国
- 日本
- 制作年/時代
- 江戸時代
- 材質/形状
- 磁器
- 法量
- 径14.8×13.6 高台径7.7 高3.7


「濁手」と呼ばれる美しい乳白色の素地に、細密に描かれた花唐草で枠を設け、その中に中国風の人物と花鳥とを描いた柿右衛門様式の大壺。柿右衛門磁は鍋島焼と並んで、わが国色絵磁器の双璧である。柿右衛門様式の初期に描かれた絵付は、中国清朝の康煕年間(1661~1722)に焼成された磁器に見られる絵付けに近く、この大壺にもその影響が見られる。本作のような柿右衛門様式の器は西欧で非常に人気を集め、鎖国下でも大量に輸出された。これもその一つで、早くから海外に輸出され、近代になって日本に里帰りしたものと思われる。
- 国
- 日本
- 制作年/時代
- 江戸時代
- 材質/形状
- 磁器
- 法量
- 口径15.4 底径16.8 高45.4

備前とともに桃山の焼締め陶を代表する茶陶に丹波、信楽、伊賀焼がある。瓢形の水指の左右に耳をつけた作振りは、備前の水指とどこか共通した桃山独特の様式である。窯中で器表にふりかかった薪の灰が暗緑色の自然釉をなし、いわゆる伊賀のビードロ釉となって厚くかかり、一部地層は赤黒く焦げている。内側上段に「×」の窯印を二つ刻している。
- 国
- 日本
- 制作年/時代
- 桃山時代
- 材質/形状
- 陶器
- 法量
- 口径14.0 底径18.0 高22.5

名物淀肩衝とよばれる瀬戸の茶入。内箱蓋裏の「うちわたす遠方人も春とてやよとののさわにわかなつむらん」(新続古今和歌集)の歌から名付けられたもので、松平和泉守乗邑(1686~1748)の書とされる。乗邑は茶人として知られ、一時山城の淀を治めていたこともある。箱には「藤四郎春慶朝日手」という札が貼ってあり、『大正名器鑑』には朝日春慶と仕分けしている。大振りな茶入ながら薄づくりで、釉色も落ちついており、肩のあたりの飛釉がひかえ目な景色をなしている。
- 国
- 日本
- 制作年/時代
- 室町時代
- 材質/形状
- 陶器
- 法量
- 胴径9.2 高11.0

ややゆがみを生じた胴の二方に耳を持ち、口を内部に折り込むように作った矢筈口の水指。矢筈口とは、口縁部の形状が矢の末端の弦を受ける矢筈に似ているために名付けられた名称で、水指などに多くみられる。赤褐色に発色し、ヘラにより加飾された胴の表面には、胎土に含まれていた砂石が焼成時にはぜた「石はぜ」が見られ、しっとりとした肌の一部には薄く胡麻がかかる。内底には角形をした文字入りの印が捺されている。
本作は、桃山時代の古備前の作風を余すことなく示した、堂々たる水指である。桃山時代の備前焼の土味の復活に成功し、備前焼中興の祖と称され、日本で初めて備前焼の重要無形文化財(人間国宝)に認定された金重陶陽(1896~1967)の旧蔵品である。
- 国
- 日本
- 制作年/時代
- 桃山時代
- 材質/形状
- 陶器
- 法量
- 口径21.1 底径20.0 高20.4

本作は茶入としてはやや大振りで、おおらかな作風である。肩から胴にかけてはゆったりと膨らみ、裾から畳付にかけてすぼまっている。美しく焼けた白い器肌の表面にあらわれた赤い火襷(緋襷とも)の様子を、雷神の発する稲妻に見立てて「雷神」と銘がつけられたと考えられる。備前焼では窯変の茶入は多いが、火襷の茶入は比較的少ない。
- 国
- 日本
- 制作年/時代
- 桃山時代
- 材質/形状
- 陶器
- 法量
- 胴径8.7 高9.1

器形を成形した後、鉄分の多い泥漿を塗り焼成すると、泥漿の鉄分のために黒褐色に発色する。そのようなものを備前焼の中でも特に伊部手と呼ぶが、本作は伊部手の中でも初期の作品である。三角形の形は力感がみなぎり、黒地に胡麻が何重にもかかり、黄色や、一部は橙色に発色し、色鮮やかな焼けになっている。胡麻のかかり方が一定でなく、内側や底にも胡麻が流れていることから、何回も向きを変えて焼成されたと思われ、胴に残る溶着跡もそれを物語っている。
- 国
- 日本
- 制作年/時代
- 桃山時代
- 材質/形状
- 陶器
- 法量
- 横21.5 高18.5

小ぶりではあるが、がっしりとした青磁の四耳壺。立ち上がった頸部から肩にかけて、紐状に伸ばして折り返した耳が四か所につく。胴部に二重の隆起線文が施され、頸部から胴部にかけて青磁釉が掛けられている。青磁釉は酸化して黄ばんではいるが、隆起線文にたまった釉薬は黒ずんだり、青白く発色したりと変化に富む。胴の下部、裾に当たる部分には釉が流れて面白い。
本作は、釉の色合いや隆起線文にみられる装飾技法など、隋時代(581~618)の典型的な明器であり、この時代の代表的な青磁である。中国生まれで旧制第六高等学校(現岡山大学)に学び、後に中日友好協会名誉会長を務めた、政治家であり文学者でもある郭沫若氏(1892~1978)が愛蔵したと伝えられる。
- 国
- 中国
- 制作年/時代
- 隋時代
- 材質/形状
- 陶器
- 法量
- 胴径14.7 高14.2

宋時代随一の白磁の産地として知られた、定窯の白磁の皿。覆輪を嵌めた口縁部は輪花形となり、見込み中央に蓮を浮彫りであらわし、周囲には雷文をめぐらせる。一般に定窯の白磁は胎土が純白に近く、光に当てると透けるような薄さで成形される。しかも器形は極めて端正であり、本作もその特徴を備えている。
定窯では、焼成時の熔着防止のため口縁には釉薬を掛けず、器を伏せて焼く。そのため、しばしば破損防止の目的で、露出した口縁の胎土に覆輪が嵌められる。
- 国
- 中国
- 制作年/時代
- 北宋~金時代
- 材質/形状
- 磁器
- 法量
- 径18.5 高3.0
