林原美術館 HAYASHIBARA
MUSEUM OF
ART

美術館概要

Background

設立の経緯

林原美術館は岡山市北区丸の内、岡山城内堀のすぐ西側にあります。ここはもともと岡山城二の丸屋敷で、対面所(今でいう迎賓館)があったところです。

林原一郎氏(1908~1961)は祖父以来の水飴製造業を継いでこれを発展させ、戦後特に急激な成長をとげ、日本最大の水飴工場をつくるなど、漸く岡山財界に重きをなしましたが、一方で、その古美術愛好にも見るべきものがありました。

既に学生時代から刀剣の鑑賞、研究に没頭、やがて蒐集に進み、鑑識眼の充実と共に、戦後特に名刀を多く入手し、岡山の刀剣蒐集家としては1、2を争うまでとなりました。そしてさらに広く日本および東洋古美術の全般に眼を向け、この方面の蒐集にも精力的に活躍しました。然し残念なことに昭和36年4月、52才の若さをもって逝去、遺志をついで、林原健氏(株式会社 林原を含む林原グループの前代表)をはじめとする遺族、当時の県知事三木行治氏などの知友が相はかって設立したのがこの美術館です。昭和36年7月財団設立、38年9月館舎竣工、39年10月1日開館、敷地面積6,382平方メートル、床面積1,919平方メートル、展示室面積450平方メートル、他に土蔵3棟計336平方メートルであり、建築の設計は前川国男建築設計事務所で、岡山城周辺の景観にマッチした近代建築が生まれました。

そして財団設立当初は「林原美術館」といっておりましたが、開館時「岡山美術館」と改め、昭和61年再びもとの名称「林原美術館」に復しました。